高福祉国家と評判の高いスウェーデンで子どもを出産後、夫婦で育児休暇を取得しました。 申し込み方法や出産直後、新生児期まで、どんな流れで育休に入ったかの記録です。
制度自体の説明は スウェーデンで育児休暇1 をご覧ください。

スウェーデン育児休暇 幼稚園
スウェーデンの小さな村の幼稚園

スウェーデンで育児休暇 本人がスマホで申し込み

スウェーデンでは、ほとんどの行政手続きがネットで行えます。それは個人識別番号(日本でいうマイナンバー)とBankIDでのインターネット電子署名サービスが広く浸透しているから可能なことです。
具体的には、申請したい要件の管轄の省庁のウェブサイトで必要事項を入力中に、スマートフォンでBankIDのアプリを起動させて事前に登録してある暗証番号を入力することで本人がその書類に署名捺印するのと同じ扱いになります。
例えば・・・・確定申告も、税務署からメールで申請するように案内がくるので、マイページにログインして内容を確認、間違いがあれば入力し直し、BankIDをで暗証番号を入力すれば、それで手続き完了です。10分かかりません。
そんなわけで、育児休暇の申し込みも取得する人が、自分でスウェーデン社会保険庁のサイトから申し込みます。
申し込み後に社会保険庁から内容に間違いがないか郵送で案内がきます。なければそのままで育児休暇に入ります。

スウェーデンで育児休暇 出産直後

私達夫婦はスウェーデン出身ではなく、お互いの両親や親戚はスウェーデン国外に在住しているので、子育ては夫婦で助け合うしかありません。 出産直後は父親も自動的に10日の育児休暇に入れますが、陣痛~出産~帰宅の一連の流れに必ず父親がいられるように、 予定日の1週間前から夫は2週間の夏季休暇を取得、そのまま出産直後の産休に入れるように休暇申請しました。

スウェーデンで育児休暇  新生児期

出産直後の10日間の休暇が終わったら、夫はそれ以降の4ヶ月間を50%(4時間勤務)の勤務にしました。
私は、出産時点でスウェーデン語学学校の学生の身分でしたが、履修していたコースを産休・育休で4ヶ月中断、その後は、以前のように通学するのではなく通信で50%の進度でコースを継続することにして、子どもが4ヶ月になるまでは両親が在宅できる時間を出来るだけ長くするようにしました。
もし一方の親が育児休暇を100%取得する通常コースにすると、母親の私だけが新生児期に日中赤ちゃんと二人きりor父親と新生児だけで一日過ごすことになるので、お互い50%にしてワンオペ育児の時間を減らせて良かったです。
さらに、 50%で育休を取得するメリットは、通常より長期間育児休暇を取得出来ることです。スウェーデンでも業務形態によっては難しいかもしれませんが、可能であれば新生児期は両親ともに50%の育休を取って一方の親に子育ての負担が偏らないようにすることは、祖父母ヘルプを望めないケースには有効だと感じました。

スウェーデンで育児休暇 経済的には

スウェーデンで育児休暇1でも触れましたが、 育児休暇中は政府から賃金の約80%が支払われます。 フリーランス・無職や学生であっても同じ制度運用で、給付は前年度の所得額に応じて、もしくは最低給付額250クローナ/日(約2,880円) 7,500クローナ(約86,500円)/月です。
我が家は、出産時点で夫が雇用されていて、私が学生だったので、育児休暇を取得中は夫は賃金の80%、私は最低給付額が支給されますが、我が家は両親同時期に50%の育休を取得したので、給付額も通常の半分でした。つまり夫は賃金の40%、私は最低給付額の50%です。
さらに夫は50%で勤務していたので、その分の賃金も支払われます(通常の半分)。そうするとトータルで、夫には通常の90%の賃金が支払われました(50%は4時間勤務の賃金、40%は育児休暇への給付)。
このスタイルは、片方だけが働いているケースで子どもの誕生と同時に収入減のダメージを減らしたい場合に有効な育児休暇の取り方の一つだと思います。出産前に比べて世帯収入は10%減ですが、両親ともに家にいられる時間もかなり確保できるので、とても良かったです。

スウェーデンで育児休暇 上司・同僚・教師の反応

夫は育児休暇を通常とは少し違うスタイル(育休50%勤務50%)で取得できるか、少し心配していました。しかし彼の直属の上司は女性、しかも双子のお母さんで、心配は杞憂に終わり、快く育休申請を受け入れてくれました。上司からしても育休中でも半分勤務してくれれば仕事に大きなダメージは無いし、カバーしやすいと言ってくれました。同僚も男女共にほとんどの人が子育て中だったので、理解があったそうです。
私の語学学校の先生も小さな子どもを持つお母さんで、通信教育での受講を応援してくれました。クラスメイトにも妊婦が数人いて、何というかスウェーデンでは出産や子育てがあんまり特別なことではなく「あっそ!がんばってね!育休明けにまたね!」くらいの雰囲気で接してくれて、夫婦ともに気持ちが楽でした。

スウェーデンで育児休暇 まとめ・今後の予定

スウェーデンの育児休暇はネットで申し込みますが、申し込み方法や制度の説明が不明瞭で戸惑うこともありました。電話案内もありますが、受付時間も短く、すると当然混雑していてずっと通話中で順番待ちの事も何度もありました。 ネット社会も便利なのかどうか考えものですが、これがスウェーデン社会のスタイルです。
子どもが生まれて4ヶ月間は両親ともに50%の育児休暇を取得して、その後は夫が100%の育休に入る予定でしたが、子どもが生後4ヶ月の時に夫がスウェーデンの仕事を休職、ドイツで仕事をすることになりました。
現時点で我が家は両親で約60日分の育児休暇を取得、約420日分がまだ残っています。スウェーデンに戻ったら育休に入りたいと思います。
50%で育児休暇を取得することは違法でも何でもありませんし、職場にもワンオペ回避にも家計にも良い方法だったので、オススメです。


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