最近、子どもと自転車で出かける時にチャイルドトレーラーを愛用しています。現在住んでいるドイツでも、以前住んでいたスウェーデンでも街で自転車にコロコロひっぱられる姿をよく見かけましたが、実際自分が使ってみてその使いやすさがよく分かりました。
安全面でもママチャリより優れています。
ヨーロッパで定番のチャイルドトレーラーのおすすめを紹介します。日本でも、これからもっと広がっていきますように。(自転車が走りやすい道路の整備と共に!)

チャイルドトレーラーのメリット

1 高い安全性

チャイルドトレーラーは、ママチャリとは違って大人が運転する自転車と子どもが座る台車部分が一体化していないので、万が一自転車が転倒してもトレーラーは転倒しません。ドイツでは実際にチャイルドトレーラーを付けて走っていた自転車が交通事故に遭った際、大人は怪我をしましたが子どもは無事だったケースが報告されています。
子どもはチャイルドシートのように座席にベルトで固定されて座るので、さらに安全です。

チャイルドトレーラーに乗っておでかけ
ベルトは子どもの大きさに合わせて調整出来ます

2 安定感があって走りやすい

チャイルドトレーラー自体に小さなタイヤがついているので安定感抜群です。重心が自転車より下で安定しているので、ママチャリのように後ろで子どもがバタバタ動いてひやっとすることもありません。

3  荷物も沢山運べる

チャイルドトレーラーの座席の後ろ部分に大きな荷物スペースがあるので、着替えでも砂場道具でも何でも放り込めます。スーパーで3人家族の1週間分の買い物を一気にする時も子どもプラス購入した食品が全て入ります。というか、子どもを乗せなくてもただ単に買い出しに使えます。

4 ベビーカーとしても使える

製品によっては、自転車から取り外せばベビーカーとしても使えます。子どもが寝てしまったら外してベビーカーにしてそのままお買い物をしたり、子どもが起きるまで玄関や軒先に駐車しておけます。
我が家は昼食後にチャイルドトレーラーに子どもを乗せて近所を一走りすると、揺れが気持ちよくて子どもがお昼寝を始めます。そのまま公園に行って、ベンチの横に自転車ごと停めて、子ども寝かせておいて私は読書したり、家に戻って玄関の前に駐車し、そのまま昼寝をさせます。

チャイルドトレーラーをベビーカーとして使う様子

5 雨の日も子どもが濡れない

雨除けシートも付いている製品なら、悪天候でも子どもはチャイルドトレーラーの中で快適です。荷物もチャイルドトレーラー内に入れておけば濡れないです。自転車を運転する人の雨具の心配だけすればいいので、考えることが少なくて精神的にも楽です。

6 屋外で日除け&蚊帳テントとして使える

チャイルドトレーラーは子どもが出入りする扉部分がメッシュ素材なので、扉をしっかり閉めたら虫よけになります。屋根付きの蚊帳・・・移動式の小さなテントになるイメージです。
夏場にアウトドアに出掛ける時など、外で過ごす時間が長い日も子どもを安心して寝かせておけるので便利です。
公園に行って、 一人を遊ばせて、もう 一人をチャイルドトレーラーの中で寝かせておけば、ボールや遊具が当たらないようにカバーできるのできます。
ベビーカーのようにブレーキも付いているので安全に停めておけます。

7 二人の子どもを安全に運べる

2人乗りのチャイルドトレーラーを選べば兄弟を乗せられます。まだ自分で座れない月齢の赤ちゃんでも別売のアクセサリーを取りつければ安全に乗車できるので、ママチャリに子ども二人乗せるより安全です。最近ドイツでは法律で自転車のハンドル部分に付けるタイプの座席は禁止されました。安全性の面でも、もし子ども2人を自転車で運ぶのならチャイルドトレーラーがいいと思います。

チャイルドトレーラー安全
自転車が倒れてもトレーラーは無事です

チャイルドトレーラーのデメリット

1 スペースをとる

高い安全性の代償と言いますか・・・走るのにも駐車するにもスペースが必要です。ヨーロッパでは自転車レーンがかなり整備されていますが、都市部のアパートによっては(特に古いアパート)駐車スペースに困ったりします。私たちもチャイルドトレーラーが楽に駐車できる構造のアパートを探しました。
ベビーカーとしても使えますが、大きめです。小回りは期待しない方がいいかもしれません。
自転車というより、原付のバイクに乗っている感覚で考えると運転や駐車に必要なスペースがイメージがしやすいと思います。

2 狭い道は走りにくい・・・かも。

日本でも自転車は車道を走ることが法律でも義務付けられていますが、実際は道が狭かったり、車道の交通量が多くて歩道を走行するケースもまだあると思います。チャイルドトレーラーではそれは出来ないです。
しかし小旗がついていたり、ほとんどの製品が遠くから見やすい色味で、ドライバーの目に付きやすいスタイルなので安心して車道を走れます。

3 重い

チャイルドトレーラー自体の重さが10kg程度、プラス子どもと荷物の重さを合計すると結構な重量です。平らな道がほとんど、もしくは体力に自信がある人以外は電動自転車で利用すると快適です。

チャイルドトレーラーの選び方

ここからは、いざチャイルドトレーラーを選ぶ時に考えるべきポイントを並べました。
何人乗りか、何歳から使うのか、シートのかたちなど、メーカーによって違いがあります。マンションか一軒家か、住んでいる場所が寒冷地(沢山着こむのか、薄着でいいのか)かそうでないかでも合う製品が違ってきます。
安い買い物ではないので吟味してライフスタイルに合った製品を選びましょう。

1人乗り?2人乗り?

もしチャイルドトレーラーを電動自転車に装着する予定で、駐車スペースに余裕があるなら、お子さんが1人でも断然2人乗りのチャイルドトレーラーをおすすめします。なぜなら使い勝手は1人乗りでも2人乗りでも変わらないですし、2人乗りだと遊びに来た友だちを乗せたり荷物をのせたりフレキシブルに使えるからです。うちの2歳の息子は空いている座席にぬいぐるみやボールを乗せて自分と同じようにシートベルトで留めると喜びます。将来下の子が生まれても2人同時に運べます。2人乗りのチャイルドトレーラーの方が幅があるので遠くからでもドライバーの目に付きやすいことも利点です。どうせ車道を走るのなら大きくて目立った方が安全面ではプラスになると私は思います。
しかし、電動自転車ではなく自力でチャイルドトレーラーと自転車を運転するなら、少しでも軽い方が負担が少ないので、1人乗りの方が楽かもしれません。

チャイルドトレーラー何歳から乗れる?

だいたい一人でしっかりお座りができるようになったらチャイルドトレーラーに乗れます。もっと早い時期から乗せたいなら、別売りの赤ちゃん用アクセサリーを装着しましょう。

チャイルドトレーラー 座面のスタイル

座面は大きく分けて、ベンチ型(スーリー、バーレーなど)とハンモック型(安めの製品)があります。
私はベンチ型の方が使いやすいと思います。ハンモック型はしっかり固定されて良さそうに見えますが、うちの2歳児がすでに窮屈そうです。そして冬は防寒着でさらに着ぶくれするので、ベンチ型の方が子どもが大きくなってもずっと座り心地がいいと思います。小さい子で何となくグラグラして心配なら、 身体が大きくなるまでベンチ型のチャイルドトレーラーにハンモック型の赤ちゃんシート(別売り)を付けるのも一案です。その方がチャイルドトレーラーを本体を買い替えしなくていいので赤ちゃんから入学前頃まで1台で長く使えますし、最終的には安いと思います。
保育園の送迎だけなど、短時間の使用ならどちらのスタイルでもあまり変わらないかもしれませんが、長く乗るならしっかりとした作りのチャイルドトレーラーを選ぶことをおすすめします。

おすすめのチャイルドトレーラー

THULE(スーリー)の2人乗り

私が住んだことのあるスウェーデンとドイツでは1番よく見かける、人気のブランドです。もともと丈夫で信頼のおける製品を揃えるアウトドアブランドですし、北欧の洗練されているデザインも魅力的です。
厳しい気候のスウェーデンで長く支持されている製品は、それなりに信頼できると思います。
バーレーはモデルによってベビーカーとしては使えない製品もありますが、スーリーは全ての製品に標準装備でベビーカーになるタイヤが付いてきます。
モデルによっては、ジョギングやスキーにも使える(別売りアクセサリーが必要)ので汎用性は抜群です。
まだ自分で座れない月齢の子ども向けには別売りでハンモックタイプのアクセサリーも販売されています。1人目が小さい頃から、使い始めて、2人目が赤ちゃんの頃はハンモックを付けて、入学前頃まで長く使えます。
値段はそれなりにしますが、安全性と機能性、使い勝手を考えたらコストパフォーマンスがいいブランドです。新品を買うのが一番安心ですが、予算面で厳しくて低価格なコピー製品を買うくらいなら、中古でスーリーを買う方がいいくらいです。

ちなみに発祥地スウェーデンでは「トゥーレ」と発音します。何で日本ではスーリーなのでしょう・・・ちょっと気になります。

スーリーがいい理由

  • 自転車牽引&ベビーカーが標準装備
  • 雨除けカバーが最初から付いている
  • 座面がベンチシート型で広い。冬に防寒着でモコモコでも座りやすい。
  • ハンモック(別売り)を取りつければ、赤ちゃんも乗れて早くから兄弟で使える。結果的に長期間使える。
  • 自転車への取り付けが簡単

スーリー・コースター・XT ベーシックなモデル

スーリーで一番ベーシックなチャイルドトレーラーだと思います。2人乗りで自転車牽引とベビーカーになる機能を持っているのに、バーレーの同じ機能の2人乗りより安いです。スーリーは重心が低いので運転しやすいです。初心者におすすめのモデルです。ドイツとスウェーデンでもこのモデルのチャイルドトレーラーを一番よく見かけます。

こんな場合にコースター・XTがおすすめ

  • 2人乗りチャイルドトレーラーを探している
  • チャイルドトレーラー初心者
  • 自転車牽引&ベビーカーになるモデルがいい
  • 高品質の製品を購入したいが予算は押さえたい
  • スキーなどで使う予定はない
  • 自転車に簡単に付け外しできる製品がいい
ベーシックなモデル スーリー・コースター・XT

スーリー・チャリオット・ライト2

チャリオット・ライト2はジョギングやスキーなどにも対応します。(別売りアクセサリーが必要)
スポーツをしない場合でもコースターより上位モデルなだけあって、日除けもしっかりついているので日差しのある日のお散歩にも適しています。しっかり日除けできるので一般的なベビーカーより快適かもしれません。

こんな場合にチャリオット・ライト2がおすすめ

  • 2人乗りチャイルドトレーラーを探している
  • スポーツが好きだ
  • ジョギングやスキーを子どもと一緒にしたい
  • 荷物も沢山運びたい
  • ドライバーからの視認性も重視したい
  • 自転車への取りつけを簡単にしたい
  • 折り畳みも簡単にしたい
ジョギングもスキーも楽しめるチャリオットライト

スーリー・チャリオット・キャブ

チャリオット(緑)は天井高が高いので小学生になっても使えます。この製品は座席がそれぞれリクライニングが出来るので快適性はかなり高いです。他と比べてかなりのお値段ですが、それなりの説得力があります。
別売りのハンモックを付けたら生後1カ月の赤ちゃんから使えるので、小学生になるまで使うのなら子ども1人でも10年近く、複数ならそれ以上使えますし、下手にベビーカーや抱っこ紐を買い替えたりしないでこれ1台で行けます。

こんな場合にチャリオット・キャブ!

  • 何よりも、子どもの快適さを重視したい
  • 荷物も沢山運びたい
  • 二人乗りのチャイルドトレーラーを探している

チャイルドトレーラー 生後1カ月から使うために

スーリーのチャイルドトレーラーに装着する赤ちゃん用のハンモックを装着すれば、生後1ヶ月の赤ちゃんでも乗せられます。この製品はアマゾンジャパンでは販売されていませんが、メーカー純正品がトレーラー専門店に取扱いがあるようです。(2020年8月時点)
サイクルトレーラージャパン

別売りハンモックの付け方。まだお座りできない赤ちゃんが使う時はこれが必要です。

BURLEY(バーレー)の1人乗り

Burley Minnow  自転車牽引のみ スリムで低価格

ミノウがおすすめのケース

  • 一人しか乗せない
  • コンパクトさ重視
  • 自転車牽引だけでいい(ベビーカー機能はいらない)
  • 高品質で、でも値段を抑えたい
  • 使っていない時はなるべく折り畳んでおきたい
  • 車に載せて運ぶことがある


1人乗りのチャイルドトレーラーなら、バーレーのMinnowがおすすめです。マンションなどで駐車スペースに余裕がない場合でも1人乗りはコンパクトで小回りがききます。2人乗りよりも座席が広いのも魅力です。
折り畳みがボタン一つで出来るので、しょっちゅう車に乗せたり、家では畳んで収納したい場合はバーレーが使いやすいでしょう。
自転車牽引専用の製品なので、ベビーカーとしては使えません。
こちらの製品も赤ちゃん用のアクセサリーはアマゾンではなく、専門店に取り扱いがあります。
サイクルパートナー

バーレーの2人乗り

Burley Honey Bee  自転車&ベビーカーになるハニービー

  • 2人乗り
  • 自転車で牽引するし、ベビーカーとしても使いたい
  • 畳んで収納することがある
  • 車に積んで運ぶこともある

Burley BEE Yellow  自転車牽引のみで低価格

  • 予算を抑えたいけど、それなりの品質の製品を購入したい
  • 自転車牽引だけでいい(ベビーカーにはならなくていい)
  • 車で運んだり、畳んで収納することが多い

チャイルドトレーラーその他のブランド

Hamaxa

Hamax(ハマックス)

Croozer

Croozer(クルーザー)

購入後 子どもを乗せる前に!

チャイルドトレーラーが届いたら、早速子どもを乗せてお出かけしたいですよね。しかしその前に、大人だけで練習することをオススメします。
まだ操縦が慣れていない時に子どもが泣き出したりすると余計に焦ってしまいます。
以下は私が実際にチャイルドトレーラーをつけて自転車を運転した時に感じた気を付けるべきポイントです。

自転車としっかり連結されているか確認

ボルト部分だけでなく、安全ストラップもしっかり装着できているか確認しましょう。紐が緩んでタイヤに巻き込まれないように。

自転車の整備をする

チャイルドトレーラーを連結すると自転車だけで漕ぐより沢山エネルギーがいります。少しでも効率的に運転できるように、タイヤの空気圧やサドルの高さをなど、自転車を整備してコンディションを整えましょう。
自転車整備や漕ぎ方の参考になるサイト
自転車を速く効率よく漕ぐコツ

カーブに注意 Uターンがしにくい

チャイルドトレーラーを連結すると、自転車だけの時より車長が長くなって小回りが利きません。カーブは思っているよりグルッと大きく廻りましょう。車の運転で例えるなら、自転車だけの時は軽自動車で、チャイルドトレーラーを付けたら教習所でよく乗るセダンやワンボックスなイメージです。車長がある感じが伝わるでしょうか?

チャイルドトレーラーの使い心地

見かけは結構迫力のあるチャイルドトレーラーですが、操縦に慣れたら、私にとって子どもとのお出かけに欠かせない相棒になりました。
万が一、私が自転車で転んでも後ろの子どもは無傷で安全を確保できるのが精神的にも楽です。
決して安い製品ではありませんが、普段の外出は可能な限り自転車で済ませたいと思っている人には、私のように電動自転車(もう高齢で乗らないというドイツ人のおじいさんから中古で買いました)&チャイルドトレーラーのコンビは最強だと思います。


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