妊娠編に引き続き、北欧スウェーデンでの出産の記録を残しておきます。
あくまで私達の個人的な経験ですが、どなたかの参考になれば嬉しいです。
予定日を過ぎても全く生まれる気配のない子ども。
陣痛が早めに来た場合に備えて予定日2週間前から夏休みを取得していた夫もやることがなさすぎて、窓拭きや大掃除を始める始末・・・。
予定日1週間後の検診で、助産師さんからあと1週間待っても陣痛がない場合は入院して陣痛促進剤を投与しての出産になると言われました。
北欧スウェーデンでの出産 陣痛から入院まで
もし陣痛がきたら、痛みの間隔が30-45分(子宮口3-4cm)の間は自宅待機、60-90秒間隔(子宮口6-10cm)もしくは破水した時点で病院に行くようにと両親学級で伝えられました。まず事前に申請した第一希望の病院の産科に電話連絡をして、そこが受け入れ可能であればその病院に向かいます。もし満床であれば、域内の空きがある病院を案内されるので、そちらに行って出産します。その調整は病院同士が行うそうです。なるべく自家用車かタクシーを利用して、陣痛での救急車は使用しないようにとのことでした。
さて我が家は兆候なく一週間が経過、第一希望のカロリンスカ大学病院に連絡をして、空きがあったので入院しました。
北欧スウェーデンでの出産 持参するもの
以下が両親学級で案内された、分娩に持参するものリストです。
・妊婦のID(個人番号の確認に必要)
・分娩に関してリクエストを記入した書類(助産院でもらったものに記入)
・子どもの洋服・お包み・帽子
・チャイルドシート(退院時に車を利用する場合)
・自分の洋服
スウェーデンでは妊娠中の経過を記入した助産院と分娩のみを対応する病院が電子カルテを共有しているので、妊婦の本人確認書類(身分証を提示する)がとても大切です。
北欧スウェーデンでの出産 麻酔の使い方
分娩時の麻酔の使用方法や特別な希望、母乳か粉ミルクどちらで育てる予定かなど、書面に記入して病院に持参します。私は、湯たんぽと笑気ガスを積極的に使用して、なるべく硬膜外麻酔は避けたい旨を書きました。
入院してすぐに医師と麻酔の使用方法の相談をしました。分娩前に遂に産科医に会えました。
私の出産した病院では分娩時の痛み緩和・麻酔は湯たんぽ→笑気ガス(和痛分娩)→硬膜外麻酔(エピドラル、いわゆる無痛分娩)と3段階で使用可能で、どれをどのタイミングで使うかは分娩中に提案されたり、妊婦の希望を伝えられるとのことでした。
北欧スウェーデンでの出産 分娩
さて麻酔の相談が終わったら、医師は早々といなくなり、分娩室で助産師さんから破水処置・促進剤の投与を受けました。助産師と看護助手が2人1組となって1人の妊婦に対応していました。陣痛の間隔が頻繁でない時は私の部屋から二人ともいなくなり、夫と二人で過ごしていました。看護助手の方が頻繁に様子を来て下さり、湯たんぽや飲み物の手配をしてくれました。助産師は陣痛の間隔・促進剤と麻酔の強さに気を配り、時々分娩台の横にあるパソコンで分娩の様子を随時電子カルテに入力していました。
陣痛が強く頻繁になると同時に、シフト交代の時間となり新しい助産師・看護助手が私の担当となり、それ以降2人が付きっきりでお産の進行を見守ってくれました。新しい助産師はとても若く(ほぼ新人であろう年齢)、時にベテラン助産師を呼んで助言を求める事がありましたが、麻酔や姿勢を変えるタイミングなど最終的には私と彼女が相談して進めて行きました。ベテランの助産師達は助言はしますが、手出しはしないスタンスを貫いて、あくまで私の担当助産師が状況をコントロールしている姿が印象的でした。助産師、看護助手の方が何人も様子を見たり、励ましたりしてくれましたが、分娩中医師には会いませんでした。
分娩進行は助産師が、飲み物の準備や声掛けなどの精神的なフォローは看護助手(+夫)がするはっきりとした役割分担が印象的でした。
北欧スウェーデンでの出産 出産後
無事に出産後は、赤ちゃんをすぐに抱っこして母乳を与えました。傷口の縫合も助産師が行い、その確認に医師がやってきました。そして確認後すぐに退室して行きました。今回の妊娠・出産で医師と会ったのはトータル2回、合わせて15分程度でした。
看護助手の方が私と夫にお祝いのFika(フィーカ)を用意して下さったのがスウェーデンらしい光景でした。
赤ちゃんを抱いたまま車いすで、子どもと夫と共に、新生児と家族の病棟に移動しました。そこで3人同室で一晩過ごし、翌朝に新生児検査を受け、経過も良いと判断されたのでそのまま退院しました。
病院からはもう一泊してもいいと言われましたが、院内が満室で賑やかすぎることと、食事も冷凍品をレンジで温めるか売店で軽食を買う選択肢のみで、自宅の方が落ち着くと感じたので、私達はタクシーで自宅に戻りました。
北欧スウェーデンでの出産 父親の関わり
夫は、分娩の為に病院に向かい出産して自宅に戻るまで、全てに同行しました。これは夫に取ってもいい経験だったそうですし、両親学級でも「分娩時の父親の役割」が説明されたりと、立ち会い出産をしない選択肢は無いように感じました。私達も事前に話し合い、お互いの出身国でない国で出産することもあり夫は必ず立ち会う事を確認していました。
分娩中も、夫は「看護助手の助手」という位置付けで看護助手の方が積極的に彼に声掛けして、私のサポートをしてくれました。夫は今回の出産で医療側から「まず夫婦二人で出来る事はやって、私達は必要なときに助けます」という印象を受けたそうです。父親が出産に積極的に関わった事は、夫婦2人から親子3人になる過程を全て共有できて、とても良いことでした。
スウェーデンでは、出産翌日から10日間は父親が育児休暇を取ることが認められています。夫も育児休暇に入り、おむつ替えや食事・洗濯など、子どもと私のサポートに当たりました。
スウェーデンでは妊娠・分娩・産後と医療側の役割分担が明確で、「担当の先生と二人三脚」というスタイルとは真逆ですが、どの方も初めての子どもを迎える私達夫婦を温かく励ましてサポートして下さった事が印象的でした。スウェーデンで出産して良かったです。
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