スウェーデンのストックホルムで出産後、親子で家に戻ってから最初の30日間のくらしの様子です。新生児期をどう過ごすか、どんな手伝いや準備が必要かご参考にして下さい。
私たちは、お互いの実家が外国だったので、夫婦2人での子育てでした。
実録「授乳間隔・おむつ替え・睡眠時間」。
授乳が軌道に乗るまでの、文字通り血がにじんだ経験や、突然赤ちゃんの指に膿が溜まり始めたトラブルなど。
新生児期に慌てて買い足したものリスト、出産前に確認しておいた方がいいことも。
母親は在宅、父親は時短勤務(4時間勤務)で新生児期を乗り切りました。(育休の詳細はスウェーデンの育児休暇2)
へろへろの両親と毎日ぐんぐん育つ赤ちゃんの成長の様子を記録に残しました。
産後 翌日に退院
スウェーデンでは母子ともに問題がなければ翌日から退院できます。産後に家族で過ごす病棟が満室で、夜中も廊下から常に大きな音がしていて落ち着けなかったので私たちは翌日に帰宅しました。ドイツから訪ねていた義両親と夫に赤ちゃんを任せて、私は3時間熟睡しました。自宅のベットで眠って本当にリフレッシュしました。
授乳間隔
私が記録に付けていた授乳間隔です。
・生後10日目
00:10-1:10
2:00
4:30-5:30
9:00-10:15
11:30-12:00
13:40-14:15
16:30-17:15
18:00-19:00
19:20-19:40
21:30-22:00
・生後15日目
1:00-2:30
4:30-5:30
8:40-9:00
9:20-9:50
11:45-12:30
13:15-13:30
14:10-14:30
16:20-16:50
17:00-17:20
18:40-19:00
20:30-21:00
21:10-21:45
23:00-24:00
母親のトラブル 乳首から血が出る
出産直後に病院では授乳が順調と言われましたが、翌日退院してから授乳後に乳首が痛くなりました。だんだん乳首に血が滲んできて、痛みを我慢しながらの授乳が辛かったです。産後4日目に、乳首カバーがあることを知って、それを付けて授乳すると傷が痛まずに楽に授乳できました。しばらく続けていると傷が治って、カバー無しでも血が出なくなりました。
授乳クッションを購入してからは、さらに授乳が楽になりました。
それまでは、赤ちゃんが泣くたびに「また痛い授乳タイムの始まりかぁ・・・」と憂鬱になっていました。まだ出産の傷口も痛んで悪露も出ている時期で、身体がかなり弱っているので、授乳の時間をサポートできるアイテムはためらわずに使って、お母さんを楽にすることが大切だと感じました。
お母さんが病気になると、赤ちゃんの世話ができません。その前に手を打ちましょう。
おむつ替えの間隔
記録につけていたおむつ替えの間隔です。授乳ほど頻繁ではありません。出産前は、布おむつをメインに使って、おむつなし育児に挑戦したいと思っていましたが産後は余裕がなく、最初の1ヶ月は紙おむつを使いました。おむつかぶれができてしまったので、Weledaのクリームを塗って、紙おむつとおしりの間に布を一枚はさんで紙が直接肌に触れないようにしたら、数日で治りました。
・生後10日
5:00
9:00
11:30
16:40
18:00
21:30
・生後15日目
1:00
1:30
4:30
8:40
11:45
13:20
14:10
17:20
19:30
このクリームは、おむつかぶれに効果的でした
赤ちゃんのトラブル 指に膿がたまる 町医者→救急病院へ
生後10日目の朝、赤ちゃんの親指に膿が溜まっていることに気が付きました。膿を出せば治ると気軽に考えていましたが、何度か育児サポートに訪ねてきてくれていたスウェーデン人の知り合いの「新生児は繊細なので一応お医者さんに診てもらった方がいい」とのアドバイスを受けて、近くの病院を受診しました。
担当のお医者さんは若く、大学病院の小児科医とも電話で相談した結果、「自分では判断が付かないから、小児の救急病院を受診して欲しい」とのこと。その足で、出産したカロリンスカ大学病院に向かいました。
専門医の受診の結果は「膿が指から他の場所へ広がったり、発熱しないかぎり心配ないので、消毒しながら経過観察」。息子は小さい指を包帯でぐるぐる巻きにされて、ボクサーのようになっていました。
膿で腫れてしまって爪まで剥がれてしまいましたが、しばらく消毒を続けて、2週間ほどで完治しました。


新生児期に役立つもの&必要なかったもの
新生児期に準備しておいて良かったもの、いらないと思っていたけれど必要で慌てて購入したもの、そして用意したけれどほとんど使わなかったものリストです。
産前に準備して、新生児期にとても役立ったもの
・トッポンチーノ
楕円形の赤ちゃんのお布団です。モンテッソーリ教育では、お母さんの匂いがついたトッポンチーノに寝かせると赤ちゃんが安心できると言われています。
授乳などの際に赤ちゃんを移動させる時に、あらかじめトッポンチーノに寝かせておくと、トッポンチーノごと赤ちゃんを抱っこできてスムーズでした。祖父母や友人が赤ちゃんに会いにきた際も、トッポンチーノに寝かせたまま少し抱っこしていました。


・おくるみ 薄手と厚手と2種類
薄手のおくるみは、部屋の中で日中赤ちゃんの肌掛けに使いました。おひな巻きをするのにも薄いおくるみは便利です。
厚手(ダブルガーゼを縫い合わせたもの。4重ガーゼ)はベビーカーで外出する時や、夜寝る時にちょうど良かったです。
・前開きの肌着
首が座るまでは前開きの肌着を着せていました。着替えもおむつ替えも楽です。ドイツ人夫も「このタイプ以外は、首がぐらぐらしてるのが恐くて着替えさせられない」と言って、いつもこの肌着を使っていました。
ヨーロッパではなかなか見つけられないので、海外在住の方は日本から用意してもらった方がいいかもしれません。
私はお裁縫が好きなので、ほとんどのものは自分で作りました。どんな赤ちゃんか想像しながら、ちくちくする時間も楽しかったです。
産後に買い足したもの
・ニップルシールド(乳頭保護器)
スウェーデンでは薬局やICAに、ドイツではDmやROSSMANNに売っていました。産後すぐに使えますが、乳頭のサイズによって合う合わないがあるので、ご自分のサイズを測って、準備しておくことをオススメします。
・授乳クッション
私は授乳クッションを使い始めてから授乳の疲れが大きく改善されました。赤ちゃんにとっても、楽な姿勢で授乳してあげられるのでオススメです。マイブレストフレンドの授乳クッションが使いやすかったです。
・ドーナツクッションまたはフライト用のネックカバー
自然分娩の場合、傷口がしばらく傷むので、授乳や食事で座る際にクッションをあてておくと痛みが緩和されました。クッションを買うまでは、普通に座るのが痛すぎて、正座して授乳していました・・・。
用意したけれど使わなかったもの
・ベビーベット
赤ちゃんは誰かのそばで寝るのが好きです。そして夜中にも頻繁に授乳する際に、いちいち赤ちゃんのベットに行って→抱き上げて→ソファーに移動。を何度もするのは辛いです。親が寝返りした時に赤ちゃんをつぶしそうでベビーベットを準備しましたが、そんな心配もなく添い寝をして、結局ベットは使わずにおむつ替えの場所となっていました。
・バウンサー
向き癖のことで、小児専門の作業療法士さんを受診した際に、赤ちゃんの腰骨の発達に影響することが心配なのでバウンサーの使用は無し・もしくは必要最低限に留める(1日10分以内)ようにと言われ、使用を止めました。ワンオペ育児などで、バウンサーが必要な場合もあるかもしれませんが、長時間座らせっぱなしは控えた方が、赤ちゃんにとってはいいようです。
出産前に練習しておいた方がいいこと
・着替え・おむつ替え・沐浴の方法を両親で練習しておく
夫は、現在は授乳以外のことは全てやる日本で言うならば「イクメン」の部類に入りますが、出産前は「え?僕もおむつ替えるの??」と言っていました。替えたくない訳でなく、替え方を知らなかったからだそうです。産後疲れている時期に一から説明するのは大変なので、両親で人に聞くなりネットで予習することをオススメします。私たちはファミリアのサイトを参考にしました。お洋服も素敵かつ実用的ですが、こんなコンテンツもあって優しいなぁと感激しました。。。
・チャイルドシートの使い方
チャイルドシートを用意しただけで安心していませんか?赤ちゃんのサイズに合わせて肩ベルトを調整する必要があります。その方法まで確認しておきましょう。
・抱っこ紐・ベビーカーの使い方
こちらも、いざ使いたいときにサッと準備できるように、両親で使い方を把握しておきましょう。
助産師さんから受けたアドバイス
スウェーデンの助産師さんから受けたアドバイスです。気候が違うので、日本とは方法が違うこともあるかもしれません。
・目やにを拭く時は、目尻→目頭に向かって拭く。
・赤ちゃんが起きている時は、たまにうつ伏せにして首座りを助ける。
・寒暖は首の後ろで確認する。着せ過ぎていたら首の後ろが汗ばむし、寒かったら冷たい。
・日中は窓際に寝かせて、日光に当てるようにする。
・ビタミンDオイルを毎日与える
赤ちゃんの様子
手帳に書き留めていた記録から紹介します。
よくお乳を飲んで、うんちを沢山する。
もう4kg越えている気がする・・・。
時々にこっと笑うことがあってかわいい。
目やにがよく出る。
お父さんと外に散歩に行くと落ち着く。
この時期の母親の様子
とにかく睡眠時間の確保が一番。「ごはん何食べよう」と考えることも疲れるので、夫に料理してもらったりデリバリーを利用することも多かったです。普段手作りの料理が好きな人も、この時期は割り切って外食を頼るのも一つの方法だと思います。
連日朝焼けを眺めながら授乳している時になぜか涙が出てくることもありました。そんな時は「明日は今日より良くなる良くなる」と唱えていました。
お祝いに頂いた3本の薔薇の花をテーブルに飾り、授乳のたびに眺めていたらその可憐さが心に染み渡りました。美しいものは、身体や心が弱っている時にこそ必要だと実感したできごとでした。
生活も身体も激変して、とても大変な時期ですが、だんだん楽になるので、大丈夫です。頼れることは周りに沢山頼って下さい。元気な時にお返ししましょう。

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